スパリゾート海水

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

2年くらい前? にKindleのセールで買ってずっと積んでたのを今さら読み始めたら面白すぎて徹夜で読んじゃった。

ラクラするような設定がポンポン飛び出してきて物語の全容が見えない前半が特に面白かったな。

アンドロイド「私も眠るときは夢を見るのでしょうか? 電気羊の夢を……」
みたいな話(?)を想像してたけど、人間とアンドロイドの感情には決定的な隔たりがあるっていうドライな設定の話だった。この小説のアンドロイドは人間からしてみれば恐ろしく冷血なんだけど、読んでると哀しい境遇のアンドロイドに感情移入して同情してしまう。偽の記憶を植え付けられて自分を人間と思い込んだまま暮らしてるアンドロイドもいるとか可哀想すぎる。でも、自分だったらこの小説のアンドロイドはそばに置いておきたくないなと思った(たぶんあの世界の一般市民は人間に反逆するアンドロイドがいるなんて知らずに暮らしてるんだろうけど)。そもそもそんなもん造るな! って思う。

フィル・レッシュは偽の記憶を植え付けられたアンドロイドなんだ……って普通に信じてたから、フィル・レッシュがムンクの『叫び』を見ながら「きっとアンディーはこんなふうに感じてるんだろうな」「おれはあんなふうに感じない。だからたぶん──」って言うところでちょっと涙ぐんでしまった。